山本の質問の意味がわからず、思わず気の抜けた声が出た。
「私は普通に元気だけど」
そうじゃなかったらここに来ていないでしょ?
そう言うと、山本は一瞬目を伏せて「うーん、そう」と曖昧な返事を返すだけだった。
なんなんだ、一体。
「……あ、ゲーセンも寄ってこうか!」
次の瞬間には元の山本に戻っていて、いつもの笑顔をこちらに向けてきた。
「ゲーセンかぁ、別にいいよ」
「よっしゃ! ホッケーやろう!」
「なんでホッケー?」
「いいけどさ」と私もいつものように笑う。
なんか、山本とふたりきりで出掛けるのは初めてだったけど、案外楽しいな。
こっそりと、そう思った。