「変じゃないよね?」

「うん、たまにはいいんじゃない?」



たまには、ね。

でも、変じゃないならこれでいい。あとはこれに合う靴やバッグを決めなくちゃいけないけど。


もう用はないので部屋に戻ろうとしたとき、弟がニヤニヤとあまり気分のよくない笑顔をこちらに向けてきたのが気になった。



「なに? 気持ち悪いなぁ」

「姉ちゃんもデートとかするんだなーって思ってさ」

「は?」



デート? それはどこの誰のことを言っているんだ。

私は頭にハテナマークを浮かべる。



「違うの? おしゃれしてるし、てっきり男と出掛けるのかと思った」

「ああ、そういう……」