「ねぇ、ちょっといい?」
私はリビングに足を運ぶと、だらしなくソファーに横たわりながらゲームをやっている弟に声をかけた。
「んー? うわ、なんだよその格好」
弟は一旦ゲームを中断してこちらを向くと、眉を潜めながら一言そう言った。
私の今の格好といえば買ったきりあまり着ていないシンプルな白のワンピースに、それと合わせて買った真っ赤なカーディガン。とりわけ変な服装でもないと思うけど……。
「えっ、ダメ?」
「別にダメじゃないけど、姉ちゃんっぽくないからびっくりしただけ」
なんだそんなことか、私は一先ず安心する。
まぁ、確かにこんなふうにおしゃれした私は珍しいかもしれない。
自分でも鏡見て少し違和感を感じたくらいだしね。