「……説明、しなきゃ……」
「説明?何をだ?」
「どこから本当だったのか……」
少し体を離して、見た顔は。
長く伸びた前髪を斜めに流し、ピンでとめているせいか、少し幼く見えた。
大きな目から頬は、涙で濡れている。
俺は、ついたままのヘッドフォンをはずして、囁いた。
「もう、いいから……」
もう、いい。
何が本当で、何が嘘でも。
俺が、彼女を愛している事に、変わりはないのだから。
だって、ほら、こんなに胸が苦しい。
切ない鼓動が聞こえるだろ?
深音は俺の言葉にうなずくと、また顔をクシャクシャにした。
「ごめんなさい……」
「だから、もういいって」
「ママが、無理言ったの?
だから、来てくれたの?」
「……」
深音は、本当に申し訳ないという顔をした。
自分が病人だから、同情されていると思うのだろうか。