中身が変わっていなければ。


あれは陸と俺の写真でいっぱいだったはずだ。


……コツン。


不意にベッドから、白い何かが滑り落ちた。



「あ、スマホが……」



手に持ったままだったんだろう。



見覚えのある、白いスマートフォン。


それを拾いあげると。



「……っ……」



偶然触ってしまった画面には。


写真シールを撮った時の、強引なキスシーンが、あった。


そういえば、二人で写った写真は、あのシールだけだった。



「一日中、それらを見て……貴方の歌を聞いて……

毎日過ごしているんです……」



母親の目に、うっすらと涙が浮かんだ。



「会えない理由があるんだろうとは思ったんですが……

本当に……いつまでもつか、わからないそうで……」



胸が締め付けられる。


全身が心臓になってしまったように、指先まで、痛い。


まさか、お前。


変わらずに、俺の事を……?