『本当にもう、長くないんです……! お願いします、お願いします……!』 母親の必死の涙声が、その言葉が真実だという事を証明していた。 ああ。 この世界が、終わっていく。 彼女がいたからこそ成り立っていた、俺の世界が。 麻痺した脳の、片隅で。 世界が破滅していく音を、確かに聞いた気がした。