「咲、お前気を付けろよ。そんな顔してると漬け込むヤツたくさん寄ってくる」

「そんな顔?」


急にさっきまでのからかうような雰囲気から一転して、低くてよく通る声を出した潤に、驚いて顔を上げた


「そっ。迷子になった子どもみたいな顔。不安で壊れちゃいそうな顔。

男はさ、本能で見つけ出せちゃうから。か弱い子羊をさ。だから、そんな顔で一人で歩くな」


「…………いひゃい」


ムギューと頬をつ練り上げられた。