「そぉ?気にしなくていいよ。それより、千裕とのケンカの、原因は?」




後ろも振り向かず、「彼女の視線なんて知ってるよ?」みたいに、余裕な潤の態度

それに、さっきケンカじゃないって否定したのに、全然聞いてないじゃん!





「だから、ケンカじゃないってば!行き違いなの!」

「ふーん?まぁ、こじれてくれた方が都合がいいけど?」





「………えっ?」

「何でもなぁーい。こっちの話」


私の頭をグリグリ撫でる潤の肩越しに見える彼女の鋭い視線が怖くて、思わず下を向いた。