目をそらした先に、昨日見かけた女の子と一緒に歩く潤がいた


「あっ……」

「咲!」


今、会いたくない人の一人。


隣の女の子は、さっきまでの笑顔をひっこめて、「だれ?」と不安そうな顔を潤に向けた。


潤は彼女に何か一言告げて、こっちに一人でやってきた。


潤の背中を見つめる彼女の視線が、潤を突き抜けて、私にたどり着いた時、その視線には明らかな敵対心が宿っていた。




「咲、おはよ。千裕は?」

「潤、彼女残してきちゃっていいの?戻った方がいいよ」

「どうしたの?咲。あいさつ忘れてる」

クスリと笑う綺麗な潤の横顔をチラリと盗み見る通行人達