千裕が追ってこないのを確認して、歩き始めた。



上がった息は、走ったからだけじゃない。

差しのべられた千尋の手を振り切った自分が不安で仕方なかった。



駅につくと、早めに家を出たせいで学生は少なかった。



朝練に向かうのか、ラケットやスポーツバックを持った子がいた。



本人達は面倒くさそうに電車をまっているけど、私には羨ましくて仕方ない。


ついこの前まで「朝練かったるい~」と言ってたくせに