再び差しのべられた手を、パチンと払うと千裕の笑顔が少し曇る



「咲、俺に当たって状況が変わるならいくらでも当たればいいけど、違うだろ?

だったら、自分が何をしなきゃいけないのか考えろよ。今日、一緒に話ししに行こうぜ?」




少し強い口調で話すのは、千裕が説得する時


言っている事が、全て正しすぎて何も反論がない。

だけど、今日の私は「そうだね」と言えるほど心に余裕がない。



再びこちらに伸ばされた千裕の手を、払ってから


「しつこい!千裕には関係ないでしょ?もういいの」


前にいた千裕を追い越しな逃げるように走った。