千裕の大きな手は、いつも暖かい。
幼い時はよく、いつも手が冷たかった私の手を包みながらで「咲の手は、冷たいね」と温めてくれた。




あの頃は、温まる自分の手を単純に喜んで「わぁ、暖かいありがとう!!」なんて言ってたけど、そんなに簡単に喜べる歳じゃない。




掴まれた手を、パッと払う




「なっ!?」


「放っておいてって言ったでしょ?なんでいるの?千裕の顔見たくなかったから時間ずらしたんだよ?

分かってるなら、放っといてよ」