「………あっ」

道に出ると、壁に寄り掛かりこっちを見る千裕がいた。



「ビンゴ!お前の考えることなんて単純過ぎて笑える」

「……」


「さ、行こうぜ?」



勝ち誇ったように笑って先を歩き始める千裕の背中。


その後を歩くことが悔しくてできない。






「ん?どうした?」


いつまでも歩きださない私に気付いたのか、千裕が振り返る。


「……」




「まったく。子供じゃないんだから。行くぞ?」

戻ってきて私の手を取った。