「明日、俺も一緒に行って話しするけど、もしかしたら?って考えてみた方がいいかもしれない」


「………っ!」


「咲?俺さ、春休みから何回か練習言ってるんだけど、やっぱり凄いよ。練習だってついて行くのやっと。レベルが高すぎて、レギュラーなんて無理かもって思えてくるよ。

だからさ、咲――」



「もういい!千裕の馬鹿ぁ!!!」


頭に置かれた千裕の手をパシンと払って部屋を飛び出した。
「咲!」と呼ぶ声は無視して家を出た。



自分の家に入ると『おかえりぃ』と呑気なママの声がしたけど、応じる余裕なんてなかった。




一気に自分の部屋まで駆け上がり入り、ドアを閉めるとベランダの外に千裕の姿。