つまんねー事ばかりだ。
どこかに、うまい話はないのかなあ……。
冷たい風が、吹いていた。
「不景気だねー。」
「そんな事言ってないで、客を拾って来いよ!」
誰も居ない店内で、ジグソーパズルをやっていた男は立ち上がる。
「俺に、当たらないでくださいよう。客が来ないのは、店長のせいじゃないすか。」
「うるせー。店長だぞ、わしゃあ。バンビ、余計な口を叩くな。」
「はい、はい、はい、はい。」
このホストクラブの141番ホスト「晩美」は、仕方なく出て行く。
客ひきなんかやっても、無駄だ。こんな狭い町で、店長の悪行は知れ渡っている。
「ケイちゅん。悪いけど、あんたの店には行かないの。あんな騒ぎの後じゃん。」
呼び止めた女は、すげなく断ってくる。
「そう言わないで、来てくれよ。」
「ケイちゃん。店、辞めなよ。そうすれば、行くから。」
「無理、言うなよ。俺、借金あんだぜ。」
「あんな、4股店長の店には、行かないからね。」
店長は、この町のホステス4人と付き合っていたのでした。