前へ。
更に前へ。
もう一歩、もう一歩。

ずんずん歩いたつもりなのに、
追い越したつもりの目標は、
更に遠ざかっていた。

しっかり残したつもりの足跡は、
弱々しくいびつな形で控えめに存在した。

だけど、
それでいい。

前へ出した足は、
決して無駄にはならない。
残した足跡は、
決して絶望の形はしていない。

飛ぶ鳥は確かに早いけれど、
決して足跡は残せない。
疾る獣だって、
決しておおきい足跡は残せない。

踏みしめよう。
足に感じる砂を噛み締めて。

ほら、また一歩が積み重なった。
その一歩がまた俺を前へ進ませる。