始めに、微かな金属音が響いた。

続いて時空がうねる音が辺りを包み込んだ。

間伐入れずに、今度は甲高い電子音がけたたましく鳴り出した。


やがてそれらが一斉に黙り、恐ろしい沈黙が始まった。

幾つもの音が失われた。

すると、音を司る者が眠りについた。永い永い眠りについてしまったのだ。


──これが、音の無い世界の始まりであった。