ザアァァァァ…。

 ザアァァァァ…。


 大地から滴る雨音を感じた。



 「…んんっ…。」



 冷たい風を肌で感じる…。


 「くぅっ…。」



 手足を動かしゆっくりと身を起こし一息ついた。


 震える手で恐る恐る胸にあてる。


 トクン…。

 トクン…。

 トクン…。


 手の平から胸うつ鼓動を感じた。



 「はあ…。」



 胸元から手を引き抜き生きていることを実感し脱力した。


 「…まだ…冥府ではなさそうだ…。」


 ピチャン…。

 ピチャン…。

 ピチャン…。


 前方から雫の滴る音と上空から光がもれてきたのを見つけた。


 ゆっくり這うように一歩ずつ前進し銅鐘の入り口を目指し立ち上がった。


 この場所が地下のせいか…地面がぬかるみ上手く歩けずに苦戦しながら光の筋を目指した。


 もう少しだ…。


 光に手を伸ばしたその先で何かにぶつかり足をとられて前に倒れた。


 パシャン…。


 倒れ込んだ先に窪みがありそこに水がたまっていたせいで思いっきり顔面に泥水をくらった。