『わかったわ…!
 真帆に電話繋がったら…ちゃんと家に電話するようにいっていてね…。』



 「わかった…。
 じゃあ…またね…!!」



 ひととおり納得したママは…諷馬に私宛ての伝言を頼むと電話を切りひとまずみんなで大きな溜め息をついた。



 「でも…これからどうしよう…。」



 一時凌ぎで今を乗り切ってもさすがに毎回は使えないだろうなーと思いつつ尋ねると…諷間が私の問いかけに答えた。


 「とにかく…姉ちゃんは…今からサークルの女友達のとこに電話をかけて…そこで今日は泊まらせてもらうしかないよ。」



 「えっー!

 誰かいたかしら…?」



 私は携帯のアドレス帳を開いたそのディスプレイに“市川 愛”の名前を見つけた。



 愛なら…確か従兄弟の淀川 未茶と一緒にマンションにシェアしていた筈だ…。



 「愛のとこなら…もしかしたら大丈夫かも知れない。
早速…かけてみる。」


 善は急げという言葉通り…私はすぐさまアドレス帳から愛の携帯番号を表示させ発信した。