突然の殿の行動に怒った諷馬は…再び彼を睨んだ。
「ロクな策もないのに…質問された事にこたえられないんだったら…余計怪しまれる。」
「…………まあ…確かにそうだけど……。
今の内に策を練ればよい事だ…!」
見かねた殿が私達のやり取りをみてまさかのフォローしてくれた事に…諷馬も私も驚きながら策を考える。
「でも…どうしよう…。」
「相手は…いきなり話が中断されたら普通もう一度話を切り出してくるだろう!
その時に何を聞かれるかの予想を立ててみてはどうだ…!」
殿の発案に私は閃き声をあげた。
「きっとママなら…怒って“どうして…電話を切ったのか!”を責めるはずだわ!
いっそのこと‥電波が悪いとこにいた事にしちゃえば‥例えば地下鉄乗ってるとか‥!」
「そうかっ‥!
地下鉄は‥まあ行き過ぎにしても‥友人の家電波悪い事にしちゃえば‥この後すぐにかけ直しても大丈夫だよね!
よしその手でいこう‥!」
諷馬は再度気を取り直し携帯を殿から預かると‥リダイヤルで電話をかけた。
2、3回の呼び出しのコールが響いた後‥すぐさまママの声が受話器から響いた。