『真帆…!
 無事だった??』


 受話器から漏れてきた甲高いママの第一声が聞こえてきた。


 諷馬はママのキンキンに響く声に不快を感じたのか…少し携帯を耳から離すと目で私に訴えかけてきたので私は口パクで“いない”と伝えてもらう事にした。



 「あー!
 なんか‥姉ちゃん!

 サークルの人から女子会に誘われたみたいでそのままいっちゃったみたいだよ!」


 諷馬はふてくされながら…めんどくさそうに言い訳を取り繕った。


 『えっー!
 それならそれであの子も連絡すりゃあいいのに困った子なんだからっ…!!

 あら…でもなんであんたその事知ってるの?』


 妙なとこで鋭い勘を発揮させて切り込まれた質問に躊躇した諷馬は私に口パクで“どうするの?”と尋ねた。




 ―――どうするって言われても‥‥‥‥(汗)



 困惑する頭をフル回転させて考えていると‥いきなり殿が諷馬の近くに歩いていき諷馬から携帯を引ったくるとそのまま着信を切断してしまった。



 「ちょっと~!!
 あんた‥何考えてるんだよ!」