声のする方向に視線を移して少し離れた先に徳家君の姿を見つけ、さらに濃姫や戸塚教授も皆バラバラに駐車された車体の上で待機していた。


 「徳家君も…!
 濃姫も…!
 戸塚教授も…!
 どうして車の上に…?」


 3人の無事な姿を見て安堵したものの‥車の上での不自然な再会に驚き声をあげた!


 「さっきの人に助けられたんだ‥。」


 「走ってたら‥いきなり身体を引き揚げられてね!」


 徳家君と戸塚教授が苦笑いを浮かべて答えたのに納得した。


 「ご無事で何よりでございまする。」


 濃姫も車体の上で律儀に手をつきお辞儀をした微笑を浮かべた。


 「権田教授達は…?」


 私を含めた4人と2分に分かれた権田教授と日本史サークルの2人組の姿を探す。


 「彼らは…ここにはいないよ。

 権田教授が…気を失った諷馬君を車に乗せて警察に行くとメールで送信されてきたからね。
 まあ…私もここに引き揚げられるまでは事情はしらなかったんだが…。」


 「そっかあ…!?
 良かった…。」


 諷馬や権田教授や日本史サークルの2人の安否を聞きホッと胸を撫でおろした。