恐る恐るトランクの後ろに目掛けて近づきキーレスのボタンを押した。


 …ピッ…。


 先程のレンタカーのトラックと同じくハザードランプが一回点灯したのを確認し諷馬のトランクを囲んだ。



 「手をかそうか?」


 徳家君が…諷馬の蒼白した表情を読み取り前に進みでた。


 「お…お願いします。」


 
 地獄で仏といわないばかりにこわばった表情が一瞬明るくなった。



 そんな理由もあり諷馬と徳家君は…トランクの前に立ち…息をのんでお互い見合わせ頷き呼吸を揃えた…。


 “ギィ…………。”


 重々しい音を響かせ閉ざされた扉が開け放たれていく中…緊迫した空気に包まれ数時間ぶりに解放された。


 暗がりの中で一斉に懐中電灯を手に持ちトランクを囲む中…トランクの奥に不自然に膨らむ毛布で覆われた荷物を発見した。


 「こんな荷物あったかしら?」


 懐中電灯で荷物を照らしつつ諷馬に尋ねた。


 「知らない!
 姉ちゃんがいれたんじゃないの?」


 私の言葉に応えた諷馬に…その場にいた者達が息をのみ膨らんだ荷物に視線が集中した。


 「ま…さ…か…。(汗)」