ホテルを利用するお客さんの車が所狭しと並ぶ駐車場に辿り着いた私達は…まず徳家君の運転してきたレンタカーのトラックの荷台を囲んだ。
「これが…。」
濃姫がポツリと呟き荷台の扉を見つめた様子に…女の私も見とれてしまった。
…殿って贅沢だ!?
こんなに綺麗な奥さんに愛されてて…。
比べようもない美しさに感嘆を漏らしながら切なさを押し殺し濃姫の横顔を見つめていたのを徳家君に見られて笑われた。
「な…なに?」
「別に~!?」
徳家君に見られちゃって思わず赤面したのを…冷ややかな目で睨む諷馬に気づき慌てて話題を切り出した。
「さあって…。
とりあえず荷台の扉をあけてみましょう!」
徳家君に“お願い”と呟き手を合わせると彼は深く頷いてキーレスのボタンを押した。
ピッ…と音が響き両サイドのハザードランプが一回点滅したのを確認して荷台のドアノブに手をかけた。
ギッーーーーー。
やたら大きな音を響かせて荷台の扉は解放されていく。
「一応…。
これが…。
その時のヘコミ傷です。」
扉を開けた途中で…内側に残されたヘコミ傷に懐中電灯の灯りを照らした。
「確かに…拳サイズだね…!」