濃姫の魅惑的な笑顔に徳家君と諷馬以外の男性陣も、思わずウットリして骨抜きにされたまま一斉に頷いた。


 「えっ…と!
 徳家君と諷馬…!
 先に説明だけしてもらえない?
 先を急がなきゃいけないのよ…!」


 私の急かした言葉に…慌てた徳家君は生返事で答え…。


 「えっ…!
 ああっ…!
 うんっ…!」


 諷馬は声を裏返し慌てて尋ねた。


 「何の話だっけ…?」


 こんな事態でなければ…男性陣のせっかく盛り上がっている甘い空気をぶち壊したりなんてしないけど…ラチが空かない状況に思えソワソワした空気をあえて吹き飛ばし、先程…奥の間で濃姫と交わした会話の内容を話した。



 「なるほど…。
 確かに…自分は生駒さんと一緒に謎の逃亡者とも遭遇したし…生駒さんとレンタカーのトラックの後ろで話してる時に不審な音を聞きその後拳ほどのヘコミ傷がついていたのを発見したのは確かです。」


 話のいきさつを聞いた徳家君は…今まで体験した内容を目で訴えながら話した様子に…諷馬がぷうっと膨れっ面で私を睨んだ。


 「ちょっと…姉ちゃん!

 俺が寝てる間…徳家先輩と接近しすぎっ!」