「みんな…。
 住職さんから事情を聞いて知ってるかもしれないけど…この事は内密で頼むよ。」


 権田教授がその様子に気づき咳払いを“ゴホン”‥としてその場を威嚇したせいかみんな急いで我に返り慌てて頷いた。


 「‥濃と申します。
 どうぞ‥お見知りおきを‥!」


 冷静にサラリと熱い視線を尻目に凛とした態度で招待を明かした。


 「徳家君が‥彼で‥。
 私の弟の諷馬です。」


 私が手で指し示し紹介した方向に立つ徳家君と諷馬を交互に眺め微笑んだ。


 「どーゆうこと‥?」


 二人は濃姫の熱い視線に見つめられ頬を赤く染め私に尋ねた。


 「徳家君は…パーキングで殿をみた以外に…レンタカーのトラックを運転していてヘコミ傷を見つけたりといった事を体験していて…弟、諷馬は先程濃姫の腕に掴まった鳥を私と共に見ました。」


 私の言葉に…二人を交互に見回した彼女は…再び魅惑的な笑みを浮かべた。


 「あなた方の体験したお話を是非聞かせて頂きとう存じます…。
 どうか…ご協力賜れますようお願いいたしまする。」