「私を…その問題になっている場所に案内して頂けますか?
あと…お話を知っている方にも是非ご協力を賜りたく思いまする。」
濃姫の真剣な表情に、殿…もとい織田信長公に対して深い愛情を感じると同時に胸の奥が痛んだ。
“濃姫も殿の事好きなんだ…。”
濃姫の一片も曇りのない物腰と美しさの前に…生まれたての淡い昔の想いを押し殺して頷いた。
「…わかりました。
権田教授…。
戸塚教授…。
レンタカーのトラックに濃姫を案内してもいいですよね?」
決意も新たに権田教授と戸塚教授も深く頷き濃姫と対面し精一杯笑顔を浮かべた。
その様子を見て濃姫は‥私の目の前に歩みでると私の手をゆっくりと掴んだままで、自分の胸元に手繰り寄せると私の手の上から重ね合わせた。
「ご協力ありがとうございます。
本当になんとお礼を言っていいものか数知れません…。
本当にありがとう…。」
濃姫は自分の手を重ね私の手の上から強く握りしめながら己の胸元へと更に手繰り寄せた。
そのままぐっと…胸元へと強く手繰り寄せられた私の指先が濃姫の胸元に触れた感触に違和感を覚えた。