戸塚教授がパーキングでのいきさつを聞いて尋ねた。
「極端にいえば…拳くらいの大きさでした。」
「拳…?」
戸塚教授の尋ねた言葉に答えた。
その会話のやり取りを聞いていた濃姫が聞き返した。
「ええ。
徳家君という私のクラスメートがいるんですけど、彼と夢の内容について話していた時トラックの後方部から音が聞こえて扉を開けた時ヘコミ傷に気づきました。
その後、権田教授に報告したと思いますが…未だに原因は分からないままです。」
権田教授を見ながら目で合図をして言葉を投げかけたのに気づき権田教授も頷いた。
「その話なら聞いてるよ。
聞いた当初は…荷物が当たってそうなったんじゃないかって話だったが、実際現物をみた訳ではなかったしな…。
明るくなってきてるといえど、先も急いでいたし…まだ薄暗かったから現地についてから確認しようって話になったからね。」
権田教授の言葉に私は頷いた。
濃姫は…そんな私達を交互に澄んだ黒い瞳に映すと、再び窓の近くに歩みより腕を軽く振り上げ鳥を空へと放った。