『濃へ…。』
相変わらずお節介のすぎる女だ…。
だがそなたを始めとして‥皆無事でいることがわかり安堵している。
濃‥。
わしは‥吉乃に似た娘を見つけた。
しかもその娘…。
吉乃の夢までも見ているというのだ。
このまま娘の後を追い吉乃の生まれ変わりかただの生き写しか確かめたい。
案ずる事はない‥。
お主が手を妬くことでもない話だ‥。
今はとにかくこの異界の地から戻る方法を見つけもし‥無事に戻れたならお主の郷‥美濃に戻るとよい。
わしが戻れば今は混乱する事は目に見えているからな。
しばし時期をみて戻るつもりだ。
そなたの文に書いてあった男に連絡したが‥留守のようだったので伝言を頼んだ。
また連絡すると伝えておいてくれ。
そして‥その者の力を借り、一刻も早く元の時代に戻り美濃の地で好いた者と暮らすとよいのだ。
どうだ‥。
お主にもまさるお節介であろう。
心配には及ばぬし案ずる事もないので文などいらぬと言ってもよこすだろうからあえてもらってやろう。
その日まで…どうか息災を祈る。
織田信長…。」