ゴーン。


 風流な鐘の音が鳴り響く京都の街を走り抜け目的地の本能寺にたどり着いた。


 「やあ…。
 遠くからおおきに…。
 権田教授もよくきてくれた。」


 権田教授の大学時代の竹馬の友…。
 戸塚教授と合流し手厚い歓迎を受けて…手配してくれていた近くのホテルに車を駐車した私達はひとまず本能寺を目指した。


 「ここが…。
 今…現在の本能寺です。」


 戸塚教授の案内でたどり着いた現在の本能寺は…住宅と店が立ち並ぶその一つにポツリと門があり…看板が無ければ多分普通のお宅と勘違いしそうな門構えに呆気にとられた。


 「生駒さん!
 写真…!写真!」

 「あっ…!
 そうか…!」


 徳家君から肩を叩かれていつも常備している…バイトのお金をつぎ込み買った“一眼レフ”をかまえると現場の風景を撮影した。


 「あっ‥。
 紹介しよう‥。
 彼女が‥生駒吉乃の夢をみた生駒 真帆さんだ。」



 カメラをおろす私をみてすかさず権田教授は‥戸塚教授に私を紹介した。


 「そうかあ‥。
 実は‥。
 ここに来てもらったのも‥すぐに会ってもらいたい人がいるんだ。」