二人が去って暫くした時がたった頃、ビニールの袋から食料を取り出し腹ごしらえをすませていると、鳥達の囀りに気づき扉近くに近づいた。



 “濃からの返事か…!”


 文を足につけている様子を鍵穴より覗き確認した時、二人の男の声が聞こえ…やがてトラックの背後で止んだのに気づき素早く積み荷の影に隠れた。



 再び開かれた扉の先に…娘を呼んだ男と、家康似の男の姿が差し込む光を阻み立ち塞がった。


 扉が開いた拍子に先程…囀りをあげていた鳥達が一斉に中に飛び込み再び空へと舞い上がった。


 2人は慌てて鳥を避けてトラックの左右へと逃げ込んだ隙に、殿は素早くトラックから降り立ち車の下へと潜り込み身をふせた。


 静かになったのを互いに確認し恐る恐る男達は再びトラックの背後に近づき中を覗き込む。




 「鳥のせいかな…?」


 「…みたいだね。
 そうだ…諷馬君…。
 運転で疲れてるかもしれないけどお姉さんあまり悲しませないようにね。
 お姉さん思いもほどほどにね…!」