静かに安堵の息を漏らした先に…扉の向こうで話声が聞こえてきたのに気づき…ゆっくり扉近くに歩みより扉近くにある鍵穴のような隙間から覗いた。


 するとその先には先程の娘と家康似の男が会話を交わしていた。


 扉に隔たれたその向こう側に愛しい娘がいる。

 殿にはそれが…どれだけの生きる励みになったでありましょう。


 400年という時を遥かに超えた時代で、巡り会えた軌跡に幸せを感じ…またこの機会を逃す訳にはいかないと深く心に刻みました。


 やがて二人は会話を終え別れた後…前方に乗り込みトラックの動く音がして車体が激しくゆれはじめ突然動き始めたのに体勢を失いそのまま前方へと転がり後頭部を強く打たれたまま気を失った殿を乗せたトラックは京都を目指して進み休憩所を後にしました。