ドライバーの柴田の言葉に殿は言葉を詰まらせた。


 「…秀吉の後…家康か‥!!
 見事に身内で固めたもんだな!」


 フンッと鼻で失笑し少なくとも知っている顔ぶれであった事に安心したが、同時にこの地にたどり着いた訳を知りたくなったからだ…。


 ここにくると決めた時…魔王の書にあった時をわたると言う中に若返りがあった…。
 家や夢の実現の為に捧げた日々と残された寿命と引き換えに若返りを行い…時を超えて吉乃のいる時代を目指したはずだったが…この場所にたどり着いたその理由がとてつもなく知りたくなったのと…同時にこの地に吉乃がいるのではという思いが頭をよぎった。


「なんや…!
その言い方聞いとると…まるで知り合いみたいに聞こえるな!」


ドライバーの柴田が殿の言葉に笑いながら話かけた。


「そうだな…!
もう遠い昔の話だ…。」



ドライバーの柴田の言葉に笑い思い出話花を咲かせ会話を弾ませながら…殿の微かな期待をを乗せトラックは…東京の品川を目指し進んでゆかれました。