「俺は…柴田や!
 トラックはええぞ…!
 織田は…免許は?」


 「免許…?」



 突如振られた話に首を傾けその様子を見て大声で笑った。


 「なんや持ってへんのか…!
 まあ…バイトやからな…!
 持ってへんでもええけど…こーゆう仕事するんなら持ってた方がええかもな!
 大型2種の自動車免許とれば…こいつを運転できるで…!」


 柴田と名乗ったおじさんは…特に深く突っ込みもせずおおらかに笑った様子に安心して笑みを返した。


 「大型2種の自動車免許か…どこに行けばとれる?」


 「へっ…?
 お前…普通自動車免許も持ってへんのか…!

 じゃあ…まずそれからやな…!
 ぎょうさん働いて貯めて自動車学校ってとこで免許とったらええわ!」


 「自動車学校に行けばよいのだな!
 その内体勢を立て直したら打ち取ってくれるわ!」


 「打ち取る?
 おおようわからへんけど…そうや!
 ぎょうさん働いてまだ若いんやからとったらええわ!」


 柴田という男の懐の厚さに大きく頷き、殿を乗せたトラックは快調な走りで京都の街を走り抜けていかれました。