「あっ…!
今日きっと俺が一緒に乗る筈だったドライバーや!
俺は…前田俊輔〈マエダシュンスケ〉!
これ俺の名刺やから‥何かあったら携帯に連絡してな!
ほな!
あっ…!
これおおきに!」
建物の死角になるところに隠れながら…名刺という用紙を渡されて逃げるように礼を言って去っていくのを見送り踵を返してドライバーとなる中年の男の近くに歩みよった。
「おおっ…!
きたか…!
遅刻やで…!」
殿の頭を突然…鷲掴みにしたドライバーなる中年の男に揺さぶられた行為に不愉快に感じつつ男に合図されてトラックに乗り込み出発となりました。
「す…すごいのう…!
こんなに高い所から見下ろして京の街を風のように駆け抜けるとは…!」
トラックなる巨大な乗り物に乗り込んだ殿は…初めて体感した心地よさに喜び声をあげられた様子にドライバーなる中年のおじさんはどっしりと構え声をあげた。
「なんや?
お前このバイト初めてか!」
「わしは…今日来るはずだった前田という男が病に臥しておる為代理できた織田というものだ…。
よろしく頼む…。」
ドライバーなる中年のおじさんは…にこやかに頷きながら殿の言葉に返した。