濃の直筆により書き留められた文面の最後には…。

 108という英数字を…はじめ電話という文明の物で使う暗号がしたためられている様子に舌打ちなされて口角をあげられました。


 「まったく…。
 小癪なやつだ!」


 濃姫達の安否を心より喜んだ殿は…文に書き留められた電話というものを探し歩むため動きだした。


 先程の濃の文に書き記してある内容を思い出し…行き交う人々を眺められました。


 確かにこの異界の地が…殿達の住む同じ国だと言われればあまりにも面影すらも見当たらず比べようもならないほど遥かに発展しているものの情緒的な風景に懐かしさを感じる町並みが残っているだけでございました。

ぐるりと町並みを見回し感傷的な思いを抱きつつ…踵を返した先にコンビニを見つけてひとまず中へと入られました。


 コンビニの使い道を覚え抵抗もなく食糧をレジで勘定をしたついでに電話の場所を尋ねた。


 「この辺りに電話を扱っておるとこはあるか?」


 「電話…?
 公衆電話とかならば…この近くの運送会社の近くに一台ありますわ。
 あとは京都駅とかに行かれると確実にあるかもしれまへんね…。」