足音の影が金判に気づいて拾う合間に背後に周り殿は…素早く首の急所を狙いその影を穴蔵に引きずり込んだ。


 穴蔵に引きずり込みその相手の顔を確認すると…不覚にも昨日酒を飲み交わした若者だった。


 すまぬ…。


 心の中で詫び…殿は若者の服を剥ぎ取って自分が着ていた服を着用させた。

 
 若者の服に身を包み若者が持っていた不思議な袋を眠る若者の上に置き穴蔵から外を見て誰もいない事を確認すると…若者の体をひきずりひとまず外に連れ出し穴蔵の近くに横たわらせ手に金判を握らせた。



 「世話になった…。」


 眠る若者に深くお辞儀をして無言で別れを告げて立ち上がり歩き始め公園を後にした殿でありました。

 突然未知なる異界の地で追われる身となりこの後…金判と引き換えに同じような背格好をした男達に2人程不意打ちをくらわせて服を交換し逃亡する生活が続いた頃でした。


 空飛ぶ鳩が殿の近くへと飛んできたのに気づき腕をあげました。


  足に文がついている様子に気づきその文を外した。