殿の言葉に再び吹き出しながら若者は答えた。


 「この国にもう侍はおらへんよ!
 安土桃山時代から江戸時代にうつり大政奉還を経て武士の時代は終わり明治…大正…昭和…そして現在の平成やねん!
 まあこの国を治めるのは政治家という人達で内閣総理大臣がまあ政治…武士でいう政を行う人がおるけどな。
 まあ簡単にいえば…国民により選ばれた人が政治家になり、またその政治家になった人達が今度は選りすぐり内閣総理大臣を選ぶっちゅう感じや!」



 若者の言葉に武士の時代が終わった事を驚き声をあげた。


 「ナルホド…。
 この時代には…もう武将もおらぬのか…どうりで先程から武将の姿を見ぬと思っていた。
 若いのすまぬがこの時代の金の扱い方など少し教えてくれぬか?」


 真顔で頼み込むその鋭い瞳で見つめられた若者は…ビニール袋を指差しながら話した。


 「その前に…腹ごしえからや!
 なんや笑わせてもろうたからな…!
腹が減ってきたわ!」


 「であるな…!?」


 若者はビニール袋から弁当を取り出し殿の前にだしてみせた。
 殿もそれに習いお弁当を袋から取り出した。
 次は箸を袋から出しているのを見て、それに習いお弁当を食べ始めた。