「いつ日本にきたん?」


 隣に座るなどと…殿の時代ではなかっただけに、この時殿はいささか複雑ではありましたでしょうが…右も左もわからぬ未知の異国においては…抗うよりは従った方が得策と悟り気を取り直して若者と向き直った。


 「今日ここにきた。
 今は…何年じゃ?」


 殿の言葉に若者は“へっ?”と不思議な顔をしたが気を取り直して答えた。


 「もしかして‥!
 時差ボケかあ!
 今は…平成24年‥西暦でいうと‥2012年だ。」


 「平成‥!?
 2012年‥!?
 室町幕府や安土の時代は‥?」


 若者は‥殿の言葉に相変わらず不審を抱きながらも答えた。


 「‥室町時代や安土・桃山時代って今から400年前の話やで…!
 あっー!?
 わかったで…!
 日本はサムライの国って憧れてこの国にきた系な外国人やろ?
 せやから…日本語も侍調なんやな!?
 やっと謎がとけたわー!」


 腹を抱えて笑う若者に大真面目な顔で殿は尋ねた。


 「この…平成を治める武将は誰だ!」