「千円お預かりいたします。」


 売り子は…それを受け取り何やら妙な入れ物を引き出してその中より銀色の硬貨と白い紙切れを渡した。


 「千円お預かり致しましたので…200円のお返しになります。
 お確かめ下さい。」


 売り子からおそるおそる受け取り手の中の銀色の硬貨をみると真ん中に不思議な文字で100と書いてあった。


 「お弁当温めますか?」


 銀色の硬貨に見とれていた殿に売り子が尋ねた声に頷き…またも変わった箱に先程揃えてもらった食べ物を入れると中で不思議な光を放ち音をあげた。


 「今…何をしておるのだ!」


 隣に控えている若者に声を潜め確認する。


 「えっ…?
 ああ…。
 お弁当をレンジで温めてるんや!」


 さらりと説明をしてくれた若者の言葉に感嘆の息をもらして頷きレンジなる物を見つめた。


 チン…。


 しばらく待つ事数分…。
 レンジという物は…何やら短い鐘の音を響かせた。


 売り子はその音を聞きレンジとなる物からお弁当なる物を取り出し…先程の袋にいれた。


 「おおきにー!
 またどうぞー!」


 二つの袋を差し出され一礼し受け取ったのを見た若者と一緒に外にでて近くの公園なる場所に連れられて鉄製の長イスに一緒に腰掛けた。