権田教授のメールに救われた私達は…東名高速道路最後のパーキングへと進路変更をすると…道なりに進みパーキングの駐車場へとたどり着いた。


 「ふっー。」


 車を降りて背伸びしながら大きな欠伸をした諷馬と一緒に道路を隔てた向こう側に歩き先に…たどり着いた権田教授達と落ち合い…とりあえずパーキングの休憩所に腰を下ろした。


 「もうすぐ…関西上陸だね!」


 私の姿を見つけた徳家君が横に腰掛けながら笑った。


 「そうだね…。」


 アハハ…と乾いた笑いを浮かべた私の空元気に気づいた徳家君はすかさず聞いた。


 「何かあったの?」


 「いやあ…。
 なんか最初は…夢に感化されて真相を突き止められたらいいなあって思ってたけど…なんだかよく考えてみれば…私が吉乃っていう確証なんて何もないんだよね。」


 乾いた笑いを浮かべた私に徳家君はあどけない笑顔で答えた。


 「そう?
 真相を突き詰めるのそんなに悪い事じゃないんじゃない?
 むしろわからないままで突き進む方が危ういと思うよ。
 単純な話だけどこの地球だって昔は丸い星だなんて思われてなくって平坦だと思われていた訳だしね。
 理解できない事は全て祟りだとかのせいで生け贄になった命だってあるわけだしね。
 そう考えれば…知らなくてもいい事なんて一つもないでしょ?」