沢山のありがとうを君に


“私は幸せになってはいけない人間”


最近までそう思ってた


あなたに出会うまでは



私があなたと出会うころのお話




私は当時付き合っていた彼氏に“お前は人を不幸にする人間だ。絶対に幸せにはならない”っと言われた

私は人を不幸にする

絶対に幸せにはならない

=幸せにはなってはいけない人間

私が幸せになると相手は不幸になる

私が不幸になると相手は幸せになる

私は何のために生まれてきたの?

自分の親さえも不幸にしてきた

私がいなかったらみんなは幸せになれる

私がいなくなれば…




私が死んでしまえば全てが幸せになる

私は生きている意味がない

もう、死んじゃお



バイバイ、みんな幸せにね






「キャー!!!!!!」





「おい、大丈夫か?」


「誰か救急車を」



私はやっと死ねる

だから、救急車なんて呼ばないで

助かったら意味がないから…





これでみんなが幸せに暮らせるよ

誰も不幸になんてならなくても済む

私が全て持ってくから














「美幸(みゆき)、美幸。お願いだから目を覚まして」




お母さんの声だ

お母さん泣かないで

お願いだから泣かないで









「ここは?」


「美幸っ。目が覚めたのね」


「お母さん?」


「そうよ。ここは病院よ。あなた2ヶ月も目を覚まさなかったのよ」



病院?

私生きてるの?

死んだんじゃないの?

何で生きてるの?

死ななきゃいけないのに

なんで?

生きてたらまた誰かが不幸になるのに




「先生呼んでくるわね」

生きてる

私が死んでみんなが幸せになるんだったのに

私が生きてるのは駄目なのに

どうして神様は死なせてくれなかったの?

ねぇ、どうして?



「美幸さん、自分が誰だかわかりますか?」


「はい…」


自分が誰だかわかってるよ

幸せになってはいけない人間

他人を不幸にする人間

死ななくてはいけない人間

そのぐらいわかってる