「太ちゃーん?晴奈だよー!!」

ガチャ

「遅いよー」

ほっぺたをぷくっとふくらませると、太ちゃんがいじわるに微笑んだ。

「フグみてぇ」

「なっ!失礼だなぁ!!」

「わかったわかった、近所迷惑だから早く入りな?」

あたしをあやすように話しかける太ちゃんはや
っぱりいじわるに微笑んでいた。

「お邪魔しまっす!」

「あら、晴ちゃん♪今日晴ちゃんの大好きなクリームコロッケだけど夕飯食べてく?」

「こんにちは、おばさん♪もちろん食べていきます!」

「お前には遠慮のかけらもないのか」

「いいじゃない太輔、いつかうちの家に来ることだし…ね?」

おばさんが太ちゃんの耳元で何かつぶやくと、太ちゃんの顔が一気に赤くなる。

「そんなわけないだろ!!」

そう言って、太ちゃんは自分の部屋に行ってしまった。