「返事はまた今度にしてもらえる?ごめん、じゃあね!」

「え…あ、うん」

あたしは太ちゃんの携帯をにぎりしめ、急いで教室を出た。

――――――しーんと静まり返る教室にぽつんと残された慎二は椅子に座り、ため息をついた。

「……やっぱり二階堂くんか」

―――――――――――――

「太ちゃん…もう帰っちゃったかな?」

校門辺りを見渡しても太ちゃんはいない。

やっぱり、家?

「電話してみよ」

太ちゃんの自宅に電話をかける。