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「やっと放課後ー♪」

「なんか、毎回それ聞いてるんだけど」

「理央は帰れるの嬉しくないのー?」

「嬉しいけどさ、晴奈はまだ帰れないよ?」

「あ……」

理央の言葉でラブレターのことを思い出す。

げっ……忘れてた……
太ちゃんに先に帰ってもらわないと。

「晴奈ちゃんっ」

「え?」

この爽やかな声、間違えるはずもない。

「横尾くん」

理央の表情が一気に曇る。

「晴奈ちゃんと話したくて♪」

「……」

横尾くんの言葉に照れて声が出なくなる。