「ちょっと太ちゃん家行ってくるねー!」

今日は土曜日。

昨日の太ちゃんの様子が気になって、今日は会いに行くことにした。

昨日、太ちゃんはずっと無言のまま切ない顔で微笑んでた。

きっと、あたしに心配させないために微笑んでたんだと思うけど…つないだ手にときどき力が入ってた。

太ちゃん大丈夫かな……

「晴奈!太輔くん家往くのもいいけど、受験生なんだから勉強もしなさいよ!」

「わかってるよー!行ってきます!」

お母さんてば…今は勉強より太ちゃんだよ。

ピンポン

「はーい♪」

太ちゃん家のチャイムを鳴らすと、おばさんが出て来た。

「あっ、晴ちゃん♪」

「こんにちはおばさん♪太ちゃんいますか?」

「太輔ならいるわよ、晴ちゃん入って」

「お邪魔します」

「太輔なら部屋にいると思うわよ」

「ありがとうこざいます」

階段を上がり、ふと太ちゃんの部屋の前で足を止めた。

どういう感じで会えばいいんだろう…

やっぱり笑顔で元気な感じがいいのかな?