「手、つないでもいい?」

なんだかいつもの太ちゃんじゃない。

何か大きな悩みを抱えているような……

「いいよ」

寂しそうに甘える太ちゃんに、断ることはできなかった。

温かく、優しい手があたしの手に触れる。

そういえば、小さい頃はいつもこうして歩いてたな…。

あたしってば、太ちゃんと手つないだとたん泣き止んだりしてたな。

「ごめん…今の俺、おかしい」

「大丈夫」

何があったの?

……本当はそう聞きたい。

でも…聞けなかった。