「う、うん!!」

横尾くんのはきっと聞き間違いだよね……?

「……」

「……」

帰り道、相変わらず太ちゃんは機嫌が悪い。

「あのさ、太ちゃん」

「ん?」

「横尾くんと何話してたの…?」

「なんも」

「……そっか」

じゃあなんでそんなに機嫌が悪いの……?

「晴奈…」

あたしが落ち込んでいるのに気付いたのか、立ち止まって頭をなでてくれた。

「ごめん、機嫌悪いの嫌だったよな」

「ううん…ただ、心配だった」

「ちょっと色々あってさ、もう大丈夫だから晴奈は気にすんな?」

あたしの頭をなでる手が温かくて、優しい。

本当に大丈夫って思えてくるような……

そんな温もりを感じた。

「心配させてごめんな」

「大丈夫だよ」

「……晴奈、あのさ」

「なぁに?」