「ふーん、どこが好きなんだよ?」

「3年の最初の頃に一目惚れかな♪長谷川さんって自分では気付いてないけどあの容姿でしょ?男子にも裏で姫って呼ばれてるし」

「確かにあいつは可愛いけど……」

「王子には姫でしょ♪」

「…結局見た目かよ」

「二階堂くんも好きなんでしょ?」

「……好きだよ」

「でもさ、幼なじみって恋愛対象じゃないんじゃない?」

「……晴奈はお前には渡さねーから」

「のぞむところ♪」

「……」

「遅れてごめーん!」

あたしが戻ると、太ちゃんと横尾くんの空気がおかしかった。

なんか、横尾くんは異常に笑顔だし太ちゃんは機嫌悪いし。

「おせーよ晴奈」

「ごめんごめん、先生につかまって長話されちゃって!」

「早く帰るぞ」

「うん!横尾くん、またね」

「また明日学校でね♪“晴奈ちゃん”」

横尾くんは笑顔で手を振りながらいなくなった。

え……今、名前で呼ばれた?

「晴奈!!早く帰るぞ!!!!」

太ちゃんの機嫌はますます悪くなる。

なんか、あったのかな……?