気付かれない想い―――――
それはとても切ないもの。

気付かない想い―――――
それはとても虚しいもの。

迷子になった想いは、
どこに行くのだろう―――――


「行ってくるね♪」

今日も7時25分に家を出る。

昨日はあのまま寝ちゃって太ちゃんが家まで運んでくれたらしい。

「おい、晴奈」

「わっ!!太ちゃんおはよー」

気が付くと、後ろに眠そうにあくびをする太ちゃんがいた。

「ふあぁ…おはよー」

いつものように自然と隣り合って歩き出す。

触れそうで触れない手が太輔にはもどかしかった。

「昨日はありがとうね」

「今さら?もうなれたっつーの」

「ですよね♪」

「あー、昨日お前背負ったせいで腰いてー」

「んなっ!そんな重くないもん!」

「コロッケ3つ食うやつが?」

いつも通り、いじわるに微笑む太ちゃん。

そんな太ちゃんをカバンで叩く。